続 渡慶次の歩み
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第7章 むらづくり―各種団体の活動―
 

第8節 渡慶次農業同好会

 

1 農業同好会結成に至るまで

 1920年(大正9)渡慶次産業組合が組織され、戦前の農産業振興に大きく寄与した。読谷山村の原山勝負では毎年優秀な成績を修め、3か年連続優勝の記録に輝き、学事・農事・黒糖等の総合優勝もあった。
 1931年(昭和6)には出荷組合が結成され、野菜類や甘藷等を本土などに出荷して収入を得た。
 今次大戦で、農産業振興のための組織は消滅したが、1954年(昭和29)12月12日に農事実行組合を立ち上げ、1961年(昭和36)には第1回渡慶次共進会を開催できるまでになった。そして、読谷村主催の共進会でも常に上位の成績を収め、農業振興の意識を高揚させ大きく貢献した。
 そして、その時代に即した産業振興のための各専門組織も次々と誕生していった。
 
◎[写真] 本編参照
読谷沖映での産業共進会表彰式から
 
 1956年(昭和31)には葉煙草耕作組合が結成された。換金作物として注目された葉煙草は、渡慶次区にも乾燥小屋が建てられ、収益性も高く、一時期農家に潤いをもたらした。
 1963年(昭和38)母豚組合が結成され、先進地域の視察研修や、母豚や子豚の飼育法等を研修し生産に励んだ。同年、大家畜組合が結成され主として肉牛の飼育法に力点をおいて研鑚を深め、ボーローポイントの黙認耕作地に共同で牧草を植えるなど活発な活動を展開した。
 1966年(昭和41)甘蔗研究クラブが結成され、競作会等を開催して、品質の向上、増産の研究を行った。
 1967年(昭和42)には、農業研究クラブが発足し、初めてのビニールハウス栽培を行い、種子の共同購入や苗の共同管理などの活動を行った。しかし、時代の変化に伴いほとんどの組織は過去のものとなった。
 特に畜産業に関してはそうであった。もともと沖縄では屋敷内の畜舎で飼育されていたのだが、1972年(昭和47)本土復帰とともに屋敷内での飼育が禁止され、農用地の一角に養豚牛舎をつくり経営するようになった。おのずと専門的になり、経営規模も大きくなり、一般的ではなくなっていった。
 
070163-潟野原の豚舎
潟野原の福地※※さんの豚舎
 
 そのような中で、農事実行組合は読谷村役場担当課や読谷村農業協同組合の指導と支援策で長期に亘り農業振興の中核的組織として重要な役割を果たした。区長が組合長を兼務し、組合の理事10名及び行政班長会が農作物の審査、堆肥づくりの奨励及び審査等個人や各班ごとに競争させ、農畜産の総決算である共進会へと結びつけている。
 しかしながら、前述のように社会的、時代的変化に伴い農畜産業の専門性が拡がり、職種の多様化と相まって以前のような活動ができなくなった。農事実行組合の会員は全戸主であり、農家・非農家が生じたため大きな課題に直面することとなった。この課題解決のために1991年(平成3)農事実行組合を解散し、新たに渡慶次経済振興会を発足することにした。
 ところが、経済振興会へ移行したとはいっても、全戸主を網羅した組織であることには変わりはなく、依然として農業振興のための活動が中心であった。活動内容も馬鈴薯や甘蔗の審査等、農事実行組合の活動内容と同じであった。
 そこで1996年(平成8)これまでの課題解決に向けて、真に農業に従事する者だけでの組織化が出来ないかとの議論が始まった。その中で全戸主を網羅するのではなく、専業農家・兼業農家及び趣味で土に親しんでいる者同士で組織化した方がより効果的であるとの意見が出された。
 幾度かの議論を経て、1997年(平成9)行政委員会で組織化に向け合意に達し、次の留意事項を確認した。
(1) 経済振興会が主催していた全区民対象の産業視察は農業同好会が引き継ぐ。
(2) 村の奨励金は農業同好会が受け入れる。
(3) 会員から会長を選出し、区長は副会長を兼務する。
(4) 渡慶次まつり、読谷まつりの対応は農業同好会が行う。
(5) 年間行事に美化作業を入れ、婦人層も会員として勧誘する。
 そして、1998年(平成10)4月24日、農業同好会が結成された。
 

2 年間事業計画(平成16年度)

実施日  内容
平成16年
4月19日 理事会(産業視察について)
4月23日 沖縄県農業協同組合
     さとうきび満産祝
4月27日 定期総会(決算・予算事業計画・役員承認について)
5月16日 産業視察(沖縄有機他4カ所・中南部)
6月7日 シソポット植え並びに定植作業(公民館・与那覇※※圃場)
6月17日 字より運営補助金交付・地域農業推進事業会議(普及所・三役他3名)
6月27日 シソポット苗配布(玉城※※宅)・子ども会育成会紅イモ植付け体験
 
070163-紅イモの植え付けを体験
子どもたちが紅イモの植え付けを体験
 
7月27日 理事会(シソ加工講習会・たまねぎ播種作業について)
8月6日 シソ加工講習会(子ども会農業体験学習を兼ねる)
8月23日 花の苗植え替え並びにたまねぎ播種作業(120株トレーへ播種)
10月7日 理事会(渡慶次まつり取組について)
10月20日 まつり会場外ステージ前花の装飾作業
 
070164-舞台を飾って
渡慶次まつりの舞台を飾って
 
10月23〜24日 渡慶次まつり協賛
10月25日 渡慶次まつり会場後片づけ
12月6〜7日 農業研修(宮古1泊2日)中部普及所
平成17年
1月26日 理事会(馬鈴薯審査・次年度予算・取組について)
2月18日 馬鈴薯審査 10農家審査 1位山城※※28.6s
3月17日 地域農業振興総合指導事業推進会議(普及所・農協・役場)
3月22日 2回目の馬鈴薯審査 2農家審査男爵 平均重量8.2s
4月22日 理事会(定期総会・役員選 出について)
4月26日 決算監査 午前10時 公民館にて
 

3 予算と会員数の推移

1998年(H10) 1999年(H11) 2000年(H12) 2001年(H13) 2002年(H14) 2003年(H15) 2004年(H16) 2005年(H17) 2006年(H18) 2007年(H19) 2008年(H20)
予算 311,000 371,000 427,961 515,159 489,626 477,100 397,100 379,100 374,100 435,281 388,934
人数 45 48 41 42 43 42 42 43 41 41 41
 
070165-農業予算
 
会員数の推移
1998年(H10) 1999年(H11) 2000年(H12) 2001年(H13) 2002年(H14) 2003年(H15) 2004年(H16) 2005年(H17) 2006年(H18) 2007年(H19) 2008年(H20)
38 41 37 38 39 38 38 39 37 37 37
7 7 4 4 4 4 4 4 4 4 4
合計 45 48 41 42 43 42 42 43 41 41 41
 

4 歴代役員

 
本編参照
 
農業同好会運営規程
 
 (目的)
第1条 経済振興会の趣旨を踏襲し、時代及び社会的情勢の著しい変容にかんがみ、それをより発展的に解消し農業の技術向上及び合理化を促進し、情報交換を活発にすることにより活性化を図ることを目的とする。
 (事業)
第2条 本会は前条の目的を達成するために次の事業を行う。
(1) 農産物の審査
(2) 村及び渡慶次まつりへの積極的な対応
(3) 視察研修
(4) 栽培技術の習得及び情報交換
(5) 生活環境の美化
(6) 家庭菜園の奨励
(7) 苗等の配布
(8) その他必要な事項
 (役員)
第3条 本会に次の役員を置く。
(1) 会長1名  (2) 副会長2名
(3) 書記1名  (4) 監査員2名
2 会長は本会を代表し会務を統轄する。
3 副会長は会長を補佐し会長事故あるときはこれを代行する。
4 書記は本会の庶務全般をつかさどる。
5 監査員は本会の会計を監査し、総会においてその状況を報告する。
 (役員選出)
第4条 本会役員の会長、副会長は理事会において選出し副会長1名は区長が兼務し書記は字書記をあてる。監査員は、会員の中から2名選出する。
 (役員の任期)
第5条 本会役員の任期は1か年とし、区長、書記についてはその在任期間とする。但し再選を妨げない。
 (会員)
第6条 会員は字内に在籍するもので応募要項に従って募集する。
 (機関)
第7条 本会に次の機関を置く。
(1) 総会  (2) 理事会
(3) 役員会
2 役員会は本会の執行機関で、会長が必要と認めた場合は招集し決議された案件の処理にあたる。
3 本会運営を円滑ならしむるために理事7名をおく。
4 理事会は本会運営の決議機関であり次の事項を審議する。
(1) 提出された議案の審議
(2) 事業計画及び予算、決算の審議
(3) その他
5 理事会は毎月1回の開催を原則とし会長が必要と認めたときは臨時に開くことができる。
6 総会は4月に開催し理事会で決議されたこと等について報告する。
7 監査員は本会会計事務の執行等を監査する。
 (総会)
第8条 総会は、本会の運営全般に対する最高議決機関で全会員を以て構成し、会長がこれを招集し、会長が議長を務める。
2 総会は、毎年4月に開催する。但し、会長が必要と認めた場合は臨時に開催することができる。
3 総会は、議決権を有する構成員の過半数をもって成立し、議決は出席人員の過半数で決する。可否同数の場合は議長の決するところによる。
4 総会に付すべき事項
(1) 会則の改廃
(2) 事業計画案及び予算案の承認
(3) 決算の承認
(4) 役員の承認
 (理事会)
第9条 理事会は、本会運営の議決機関で会長より提出された議案の審議権を有し、その他の案件を提出する権利を有する。
2 理事は7名とする。
3 理事会は必要に応じ会長がこれを招集する。
 (役員会)
第10条 役員会は、本会の執行機関で会長とともに企画審議し、また議決された案件の処理に当たらなければならない。
2 役員は若干名とする。
 (会計)
第11条 本会運営の経費は会費及び助成金等を以てあてる。
2 本会の会計年度は4月1日から翌年の3月31日までとする。
 
   附則
 この規程は1998年(平成10)4月1日より施行する。
 この規程は2001年(平成13)5月1日に一部改正し、同日施行する。
 この規程は2006年(平成18)4月20日に一部改正し、同日施行する。
 この規程は2009年(平成21)5月24日に一部改正し、同日施行する。
 
 

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