2010年1月15日発行「続 渡慶次の歩み」(上・下巻)から

祝辞(発刊を祝す)

読谷村教育委員会
教育長 比嘉源勇

『続渡慶次の歩み』の発刊を潔し心からお喜びを申し上ぼます。

渡慶次は、すでに1971年(昭和46)に『渡慶次の歩み』と題した字誌が発刊され、今回はその続編として編集が進められてまいりました。

今回は、新たな資料の発掘と区民の日頃の活動を重点に編集されており、人々の日々の生活が読み取れるようになっていることにまず感動いたしました。

したがって、村内各字の中で一番最後まで高志傑一帯に仮住まいしたところであり、戦後の高志保居住時代の記述や、新発掘資料に見る渡慶次の戦後復興期、公民館事務所の変遷をどの記述で苦難の歴史を確認することが出来ます。

また、他字よりも優れた復興を実現しようと碁盤塑道路の整備を企画し、多くの苦難を乗り越えて、区民の無償による用地の提供でそれを成し遂げるなど、区民性を遺憾なく発揮して復興を成し遂げられたことは、まさに称賛に値するものであります。農村運動広場の建設についても、オキハムへの字有地の売却を契機に、子々孫々にまで残すべき財産を処分するのだから、それに値する事業をしなければ先達の思いに反することになると、その実現を図ってきたことが事細かに記述されています。その他にも興味は尽きないものがあります。

字誌は、その地域の歴史と代々受け継がれてきた人々の営み、文化を次の世代へと橋渡しし、自信と誇りを待った地域づくりと新たな文化創造への礎とをるものであります。この意義ある事業にご尽力をいただきました編集委員、公民館職員の皆さまに心からなる敬意を表するとともに、字渡慶次がますます結束を深め、区民ともども新たな発展の歴史を刻まれますことを祈念申し上げ祝辞といた旨ます。