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第6章 渡慶次の産業経済と基盤整備
第1節 土地改良事業
3 長浜川土地改良区
(1)農業用水長浜ダム
農業経営の安定と向上を図る上で農業用水の確保は最も大切なものであり、「水のないところに農業は無い」とまで言われている。
農業用水に恵まれない沖縄県において農業の発展を図っていくためには、水源の確保、かんがい施設の整備が最も重要な課題となっている。
読谷村長浜地区においては、280ha(847,000坪)の農地を対象に県営かんがい配水事業が1979年(昭和54)から1998年度(平成10)にわたって行われた。
読谷村農業の一大事業として長浜ダム建設計画がなされたのが1974年(昭和49)であり、調査計画から23年余の年月を要し1995年(平成7)に完成した。
総面積147,000m2、総工費約80億円の巨費を投じ、総貯水量160万トンを誇る本島最大の農業用長浜ダムが建設された。読谷村の土壌は島尻マージで乾燥しやすく、軽トラに積んだタンクを利用して畑地に灌水するにも限度があり、これまで「雨待ち農業」で夏場の干ばつに農家は悩み苦しんだ。長年の悲願であった長浜ダムの完成はそれを待ち望んだ農家を大いに喜ばせた。
完成した長浜ダムの位置は、長浜河口から約800m上流にあり、標高7mの低地で、地形や河川等の条件はダム建設地としては必ずしも適地ではなかった。地質は水が漏る沖積層を海面下16.5mまで掘削して基礎処理等構造上の多くの問題をクリアしての完成であった。
現在では、圃場にはスプリンクラーが完備され、雨が降らなくてもサトウキビや紅芋、メロン、野菜、電照菊、牧草などが栽培され、読谷村の農業発展に大きく寄与している。
長浜ダム
読谷村の農作物の作付け面積の上位はサトウキビで、続いて芋、菊、メロンの順で、近年サトウキビは減少し菊栽培が増える傾向にある。
次の表は2002年度(平成14)と2004年度(平成16)の読谷村作付け面積と作付け別粗生産額である。
○読谷村作付面積(ha)
2002年度(平成14)
2004年度(平成16)
○読谷村作付別粗生産額(千円)
2002年度(平成14)
2004年度(平成16)
(2)長浜川土地改良区農業用水使用規則
1.申請地が借地の場合は、土地所有者の了解を得ること。
2.管理賦課金(水料金)について
作物:キビ・イモ・牧草等の場合=8円/m2
作物:果樹=10円/m2
作物:野菜=20円/m2
作物:花卉=24円/m2
3.管理賦課金は、原則として金融機関よりの口座引き落しを採用する。
4.申請作物の変更は、6か月未満とする。
5.申請作物は、土地改良区が現地調査のうえ査定する。
6.灌水については、原則として各輪番区のローテェーション(順番)を遵守すること。ただし、輪番区内での変更は班長の許可を得るものとする。
作物:キビ・イモ・牧草等=8日に1回 作物:花卉・野菜等=3日に1回
7.組合員は施設及び備品について、破損その他修繕を要する箇所があることを発見したときは、速やかに土地改良区に報告しなければならない。
8.末端施設の破損に係る修理費は、原則として原因者負担とする。
9.加入金
未施工箇所への給水を行う場合は、加入金としてm2当たり30円を徴収する。
〔読谷村の土地改良事業の実績〕
農業経営の安定と向上を図る上で農業用水の確保は最も大切なものであり、「水のないところに農業は無い」とまで言われている。
農業用水に恵まれない沖縄県において農業の発展を図っていくためには、水源の確保、かんがい施設の整備が最も重要な課題となっている。
読谷村長浜地区においては、280ha(847,000坪)の農地を対象に県営かんがい配水事業が1979年(昭和54)から1998年度(平成10)にわたって行われた。
読谷村農業の一大事業として長浜ダム建設計画がなされたのが1974年(昭和49)であり、調査計画から23年余の年月を要し1995年(平成7)に完成した。
総面積147,000m2、総工費約80億円の巨費を投じ、総貯水量160万トンを誇る本島最大の農業用長浜ダムが建設された。読谷村の土壌は島尻マージで乾燥しやすく、軽トラに積んだタンクを利用して畑地に灌水するにも限度があり、これまで「雨待ち農業」で夏場の干ばつに農家は悩み苦しんだ。長年の悲願であった長浜ダムの完成はそれを待ち望んだ農家を大いに喜ばせた。
完成した長浜ダムの位置は、長浜河口から約800m上流にあり、標高7mの低地で、地形や河川等の条件はダム建設地としては必ずしも適地ではなかった。地質は水が漏る沖積層を海面下16.5mまで掘削して基礎処理等構造上の多くの問題をクリアしての完成であった。
現在では、圃場にはスプリンクラーが完備され、雨が降らなくてもサトウキビや紅芋、メロン、野菜、電照菊、牧草などが栽培され、読谷村の農業発展に大きく寄与している。
長浜ダム
読谷村の農作物の作付け面積の上位はサトウキビで、続いて芋、菊、メロンの順で、近年サトウキビは減少し菊栽培が増える傾向にある。
次の表は2002年度(平成14)と2004年度(平成16)の読谷村作付け面積と作付け別粗生産額である。
○読谷村作付面積(ha)
2002年度(平成14)
作物 | 面積 | % |
サトウキビ | 200.58 | 56 |
いも類 | 79 | 22 |
花き類 | 62 | 17 |
野菜類 | 18 | 5 |
合計 | 359.58 | 100 |
2004年度(平成16)
作物 | 面積 | % |
サトウキビ | 211.29 | 56 |
いも類 | 79 | 21 |
花き類 | 66 | 17 |
野菜類 | 22 | 6 |
合計 | 377.29 | 100 |
○読谷村作付別粗生産額(千円)
2002年度(平成14)
作物 | 粗生産額 | % |
花き類 | 780,000 | 61 |
サトウキビ | 290,000 | 22 |
いも類 | 170,000 | 13 |
野菜類 | 40,000 | 3 |
果樹 | 10,000 | 1 |
合計 | 1,290,000 | 100 |
2004年度(平成16)
作物 | 粗生産額 | % |
花き類 | 780,000 | 52 |
サトウキビ | 320,000 | 22 |
いも類 | 260,000 | 18 |
野菜類 | 100,000 | 7 |
果樹 | 20,000 | 1 |
合計 | 1,480,000 | 100 |
(2)長浜川土地改良区農業用水使用規則
1.申請地が借地の場合は、土地所有者の了解を得ること。
2.管理賦課金(水料金)について
作物:キビ・イモ・牧草等の場合=8円/m2
作物:果樹=10円/m2
作物:野菜=20円/m2
作物:花卉=24円/m2
3.管理賦課金は、原則として金融機関よりの口座引き落しを採用する。
4.申請作物の変更は、6か月未満とする。
5.申請作物は、土地改良区が現地調査のうえ査定する。
6.灌水については、原則として各輪番区のローテェーション(順番)を遵守すること。ただし、輪番区内での変更は班長の許可を得るものとする。
作物:キビ・イモ・牧草等=8日に1回 作物:花卉・野菜等=3日に1回
7.組合員は施設及び備品について、破損その他修繕を要する箇所があることを発見したときは、速やかに土地改良区に報告しなければならない。
8.末端施設の破損に係る修理費は、原則として原因者負担とする。
9.加入金
未施工箇所への給水を行う場合は、加入金としてm2当たり30円を徴収する。
〔読谷村の土地改良事業の実績〕
2006年(平成18)11月現在
地区名 | 面積(ha) | 組合員(人) | 事業費(千円) | 事業年度 |
座喜味土地改良区 | 13.7 | 162 | 434,172 | S51〜S57 |
渡具知土地改良区 | 24.0 | 121 | 258,070 | S54〜S58 |
長浜地区 | 280.0 | 1,327 | 7,827,430 | S54〜H8 |
西部連道土地改良区 | 77.6 | 464 | 867,000 | S55〜H元 |
渡慶次土地改良区 | 23.7 | 218 | 216,000 | S57〜H元 |
浜屋土地改良区 | 14.0 | 126 | 169,000 | S58〜S63 |
萩川土地改良区 | 32.5 | 208 | 424,000 | S59〜H6 |
波平土地改良区 | 39.0 | 319 | 658,483 | S62〜H6 |
宇座土地改良区 | 25.4 | 187 | 160,500 | H元〜H4 |
池ン当土地改良区 | 12.1 | 113 | 192,000 | H4〜H8 |
読谷西部土地改良区 | 24.3 | 264 | 622,326 | H9〜H17 |
合計 | 566.3 | − | 11,828,981 | − |
長浜川土地改良区 (維持管理組織) |
389.0 | 1,352 | H4〜 |